「伝わるとは限らない」
私たちは日頃、さまざまな場面で情報を発信しています。
“誰かに考えを話す”、“会社の商品やサービスを紹介する”、“仕事の手順を説明する”。
これらはすべて「伝える」という行為です。
ただ、伝えたからといって、必ずしも意図した内容がそのまま相手に伝わるとは限りません。
丁寧に説明したつもりでも、相手には別の意味で受け取られていたり、
最も知ってほしかった部分が印象に残っていなかったり。
「伝える」は、情報を相手に向けて発する動作です。
一方で「伝わる」は、その情報を受け取った相手の中で起きることです。
この二つの間には、思っている以上に距離があるのかもしれません。
感じ方は違っても、共通する感覚はある
人によって”感じ方”は違います。
同じ写真を見ても、好ましいと感じる人もいれば、
あまり印象に残らない人もいます。
同じ言葉でも、受け取る人の経験や立場によって
意味が変わることがあります。
それでは、相手に正しく伝えるのはムリなのでしょうか。
すべての人に、まったく同じ印象を与えることはできません。
しかし、地域や世代、生活環境などが近い人たちの間には、
ある程度共通して受け取られやすい感覚もあります。
例えば、赤という色です。
人間の脳にとって赤はほかの色より目に留まりやすく、
注意や緊急性を感じさせる色として使われることがあります。
消防車が赤いことも、その分かりやすい例の一つです。

普段は深く考えていなくても、私たちは無意識のうちに、
色や形、音、言葉の選び方からさまざまな印象を受け取っています。
広告に使われる表現も、そのような共通感覚と無関係ではありません。
誰に伝えるのかを考える
伝わりやすい表現を考えるとき、最初から見た目や言葉を決めることはできません。
まず考えなければならないのは、「その情報を誰に届けるのか」ということです。
同じ商品を紹介する場合でも、初めてその商品を知る人と、
すでに詳しい知識を持っている人とでは、必要な説明が違います。
社内の担当者には当然伝わる言葉でも、
初めて目にする人には意味が分からないことがあります。
どのような人に知ってもらいたいのか。
どのような印象を持ってもらいたいのか。
何を理解してもらう必要があるのか。
こうしたことが分からなければ、適切な表現を選ぶことも難しくなります。
「聞く」から始まる
文章、写真、映像にはそれぞれに異なる特徴があります。
しかし、どの方法を使う場合でも、その前に必要なのは、
伝える相手と伝えたい内容を知ることです。
そのため、C-Rossoでは制作前のヒアリングを大切にしています。
どのような商品やサービスなのかを確認するだけではありません。
これまでどのように伝えてきたのか。
どの部分がうまく伝わっていないと感じているのか。
誰に見てもらいたいのか。
話を聞いていくことで、当初考えていたものとは別の部分に、
伝えるべき中心が見つかることもあります。
映像を作ることや写真を撮ることは、あくまでも表現するための方法です。
何を、誰に、どのように届けるのか。
「伝える」を「伝わる」に近づけるための制作は、
「相手の話を丁寧に聞くところから始まる」と、私たちは考えています。